光を感じる目のお話-星空-

2007年08月19日(日)

Category: 目のお話

先日、ペルセウス座流星群を見たというお話をしましたが、今日はちょっと星つながりの光を感じる目のお話

星空を見ているとき、見ている星の周りの方が星が多く見え、そっちに視線を向けると多く感じたほど見えないという体験はありませんか?私は小さい頃から、星を見るたびに感じていました。友達に説明しても分かってくれないので、私の目がおかしいのかと思っていました。しかし、大人になってメガネや目の勉強をして、理由が理解できました。
先日星を見ていて思い出したので、今日はちょっと専門的な話です。

私達は、眼の奥にある網膜に写った像を感じ、物が見えるのですが、その像の写る網膜の視細胞には、次の2種類の細胞から成り立っています。

錐状体(すいじょうたい)
網膜の物を見る中心付近にたくさん存在し、明るいところで働き、視力が良く(物をはっきり見ることができ)、色を感じる機能がある
杆状体(かんじょうたい)
網膜の物を見る中心から外れた周りにたくさん存在し、弱い光に働き(暗さに強く)、視力が悪く(像が不鮮明)、色を感じない特徴がある

私達が、視線を向けたところははっきり見えますが、その周りがはっきり見えないのは、錐状体が少ない部分に写っている像だからなのです。例えれば、カレンダーの数字を見てちょっと視線をずらすと、カレンダーの文字の存在は見えますが、数字まではっきり読めなくなりませんか?視野は広いですが、実際よく見えているのは、ごく一部分です。

それでは、最初の星空の話はというと、暗いところで働く杆状体という細胞が星の光を感じるので、周辺の星が多く見えるのです。難しいかな?杆状体の視力は悪いのではっきり見えませんが、微弱の光を感じるのです。

全くわからない方は、星空を見てみて下さい。見ている方向と、その周りの見え方の違い。ある程度、暗闇に目を慣らしてからの方がいいと思います。暗闇に慣らす(明暗の順応)のお話はまた今度。