話が難しすぎるというご指摘が多々ありました。すいません。メガネを作る際の視力測定では、目の中の焦点の位置をいかに網膜上に持ってくるかという作業をしているわけですが、身近なカメラの仕組みを例にあげることによってカメラの奥深さと面白さ、そして目やメガネの話もわかって頂けるかなと思ってます。もう少し、お付き合いください。
今日は、先日の被写界深度の話を、写真で見るとわかりやすいかと思います。
下に4枚の写真を並べました。
一枚目(F値:2.8)は、絞り(しぼり)を開けた(開放)時の写真です。ピントは手前のメガネに合わせてあります。後ろの卓上カレンダーの文字はボケています。絞りを開いた状態なので、ピントの合う範囲(被写界深度)は狭く(短く)なるからです。
二枚目(F値:5)→三枚目(F値:10)→四枚目(F値:20)と、ピントの位置は変えずに絞り(しぼり)をしぼっていった時の写真です。
F値:2.8,シャッタースピード:1/1000
F値:5,シャッタースピード:1/250
F値:10,シャッタースピード:1/60
F値:20,シャッタースピード:1/20
絞っていく(F値が大きくなる)につれて、ピントの合う範囲が広く(被写界深度が深く)なっていくのが分かると思います。前回の焦点深度と被写界深度の図解を参考にして下さい。
写真の下のF値の横の数字は、シャッタースピードです。「目とカメラの絞り(しぼり)とは」の回で、絞れば光を取り込む量が少なくなるという話をしました。絞りの値を変えて、同じような明るさの写真をとるには、絞れば絞るほどシャッタースピードを遅くする必要があります。逆に、絞りを開ければ、シャッタースピードは短くても撮れるということです。次回は絞りとシャッタースピードのお話。