シャッタースピードと絞りと適正露出

2007年11月06日(火)

Category: こだわり, 写真, 目のお話

今日はシャッタースピードのお話

シャッタースピードとは言葉のとおりなので、分かりやすいかと思います。シャッターが開いている時間のことです。同じ光量の場合、長く開いているほどたくさん光を取り込むことができます。

さて、シャッタースピードと絞りの関係ですが、写真を撮るときには密接な関係があります。前回の最後にも少しお話しましたが、同等の明るさの写真を撮るためには、絞れば(F値を上げれば)取り込む光量が少なくなるので、その分だけシャッタースピードを遅くして、必要な分だけの光量を取り込むのです。逆に、絞りを開ければ(F値を下げれば)取り込む光量が多くなるので、その分だけシャッタースピードを短くして、必要な光量を取り込むのです。わかりますか?

では、その撮りたい写真の明るさを適正露出といいます。適正露出に合うように、絞り(F値)とシャッタースピードを操るのです。これが、まさにマニュアル撮影です。いい写真だ感じるモノはこれを操って撮っていることが多いのです。そのためには、絞りとシャッタースピードの特徴を知ることが必要ですね。次回はそのまとめ(総括)をします。

それでは目に当てはめるとどうなるかと言いますと、人間の目にはシャッタースピードというものはありません。写真は時間を切り取って一枚の絵にするのですが、人間は目で感じた映像を即座に脳に伝えています。目は、明るければ瞳孔を絞り、光量が不足すれば瞳孔を開き、それ以上に絞りを調節できない分は、眩しいと感じたり真っ暗であまりよく見えないという状況になるわけです。

絞り(しぼり)と被写界深度の写真例

2007年11月03日(土)

Category: こだわり, 写真, 目のお話

話が難しすぎるというご指摘が多々ありました。すいません。メガネを作る際の視力測定では、目の中の焦点の位置をいかに網膜上に持ってくるかという作業をしているわけですが、身近なカメラの仕組みを例にあげることによってカメラの奥深さと面白さ、そして目やメガネの話もわかって頂けるかなと思ってます。もう少し、お付き合いください。

今日は、先日の被写界深度の話を、写真で見るとわかりやすいかと思います。

下に4枚の写真を並べました。
一枚目(F値:2.8)は、絞り(しぼり)を開けた(開放)時の写真です。ピントは手前のメガネに合わせてあります。後ろの卓上カレンダーの文字はボケています。絞りを開いた状態なので、ピントの合う範囲(被写界深度)は狭く(短く)なるからです。
二枚目(F値:5)→三枚目(F値:10)→四枚目(F値:20)と、ピントの位置は変えずに絞り(しぼり)をしぼっていった時の写真です。

被写界深度と絞りF値:2.8
F値:2.8,シャッタースピード:1/1000

被写界深度と絞りF値:5
F値:5,シャッタースピード:1/250

被写界深度と絞りF値:10
F値:10,シャッタースピード:1/60

被写界深度と絞りF値:20
F値:20,シャッタースピード:1/20

絞っていく(F値が大きくなる)につれて、ピントの合う範囲が広く(被写界深度が深く)なっていくのが分かると思います。前回の焦点深度と被写界深度の図解を参考にして下さい。

写真の下のF値の横の数字は、シャッタースピードです。「目とカメラの絞り(しぼり)とは」の回で、絞れば光を取り込む量が少なくなるという話をしました。絞りの値を変えて、同じような明るさの写真をとるには、絞れば絞るほどシャッタースピードを遅くする必要があります。逆に、絞りを開ければ、シャッタースピードは短くても撮れるということです。次回は絞りとシャッタースピードのお話。

焦点深度と被写界深度

2007年10月28日(日)

Category: こだわり, 写真, 目のお話

さて、今日は被写界深度のお話。

被写界深度
ピントが合っているように見える範囲のこと

先日、焦点深度についてお話しましたが、焦点に連動して反対側の被写体にもピントが合う範囲があり、それを被写界深度と呼ぶのです。

絞り(しぼり)によって焦点深度が長くなったり短くなったりすることは、先日お話しました。この焦点深度を基準に、外側での被写体のピントが合う範囲を見てみましょう。次の下図は、絞り(しぼり)が開けられた状態での被写界深度です。

被写界深度と焦点深度

それでは、次の下図を見てください。これは、先程より絞り(しぼり)をしぼった状態での被写界深度です。

被写界深度と焦点深度

絞りをしぼった状態では、焦点深度も長い(深い)ので、被写界深度も長く(深く)なっているのが分かると思います。
つまり、どういうことかというと、絞った状態の方がピントの合う範囲が広くなるということです。カメラ用語で言えば、F値が小さくするとピントの合う範囲が狭くなる(被写界深度が浅い)。つまりピントの合っているところ以外はボケが大きいということです。逆に、F値を大きくする(絞る)と、前後のピントが合ってくる(被写界深度が深い)ということです。わかりますか?難しいですか?カメラの写真での説明はまた次回にしますが、上の図が理解できれば、分かってくるでしょ?

被写界深度という言葉は、カメラでよく使われますが、目に関してはあまり使いません。それは、目は自動的にピントを合わせているためです。しかし、原理は同じなのです。暗いところでは、瞳孔が開く(絞りが開けられた状態)なので、よく見える範囲は狭いので、距離の違うところのモノを見るときには、水晶体の調節が大きくなります。

今日は、ちょっと難しい話でしたが、ここを乗り越えれば、もうヤマは超えているはず!?

絞り(しぼり)によるボケ具合の変化

2007年10月25日(木)

Category: こだわり, 写真, 目のお話

視力が悪いのだけど、今メガネを持ってない、けど遠くの文字を読みたい場合の裏技を教えましょう。それは、小さい穴から覗くのです。例をあげましょう。私は近視です。お風呂にはもちろんメガネはかけて入らないので、お風呂では何も見えません。けど、時計の時刻を読みたい。そのときは・・・指でなるべく小さい穴を作り、その穴から覗くようにして時計を見るのです。あら不思議、全く見えなかった時計の時刻が、鮮明には見えませんがなんとか見えるようになるのです。

これは先日お話した、目の絞り(しぼり)と非常に関係があります。今日は、絞り(しぼり)によるボケ具合の変化のお話。

目の絞り(しぼり)による像のボケ具合

上の図を見てください。上図は近視の屈折の状況です。目の前の光の量を調整している板みたいのは、絞り(しぼり)です。絞り(しぼり)の穴の大きさが大きい場合の眼の奥の網膜に映る像のボケる大きさと、絞った場合の網膜に映る像のボケの大きさを比べてみてください。小さくなっていますよね。小さくなっているということは、ボケ具合が減少しているということです。つまり、絞りの穴が小さくなると、ボケていた像がボケ具合が軽減され見えるようになるということです。

ボケと錯乱円

この網膜に映る円を錯乱円と呼びます。ボケ具合が減少するとこの錯乱円が小さくなることがわかると思います。この錯乱円が小さいほど、像が鮮明に見えるということで、カメラではピントが合っているということです。

絞り(しぼり)と焦点深度と錯乱円

焦点付近にピントが合っているとみなせる範囲を焦点深度と言うのですが、絞ると焦点深度が長く(深く)なることが上の図からわかると思います。この焦点深度に関係した被写界深度というものがあるのですが、この話はまた今度。

では、最初の話題に戻りましょう。この絞り(しぼり)とボケ具合の変化の関係が分かれば、小さい穴から覗くと、絞り(しぼり)の効果でボケていたモノが見えるようになるという原理(ピンホール効果)が分かりますよね。この小さい穴は、1ミリくらいの穴で見ていただくと実感できると思います。身近なモノでいえば、テレホンカードのパンチ穴なのですが、最近はテレホンカードを使わなくなりましたね。小さな穴をいくつか開けたアイマスクをつければ視力アップという宣伝文句のものがありますが、これはこの原理を利用したものです。これをつければ視力が良くなるというわけではありませんのでご注意を・・。
最後に、このピンホール効果は、視力の度数の強さや元々視力の出ない場合などすべてに当てはまるものではありません。

目とカメラの絞り(しぼり)とは

2007年10月23日(火)

Category: こだわり, 写真, 目のお話

目の構造カメラの構造は似ていると聞いたことあるでしょう。ちょっとカメラに興味を持ち始めると最初にぶつかるのが、絞り(しぼり)【F値】シャッタースピード露出の話。ここで挫折すると、フルオートでいいやってことになるのですが、ここを超えるとカメラの面白さと奥深さを知ることができるのです。
今日は、目とカメラに共通の絞り(しぼり)の簡単なお話。

絞り(しぼり)
光を取り込む量を調節する穴(孔)のことで、穴の大きさを調節することができる。眼では虹彩と呼ばれる黒目の部分。虹彩を調節することによって黒目の中心の瞳孔が大きくなったり小さくなったりする。カメラでは、複数の絞り羽根を動かして絞りを調整する。

絞りのイメージつきますか?イメージがつけば、簡単簡単。
絞りの穴を小さくすると取り込む光の量が少なくなります。これを絞ると言います。カメラ用語では、絞る・F値を上げると言います。
それに対して、絞りの穴が大きいとたくさんの光を取り込むことができます。これを瞳孔を開く、開けると言います。カメラ用語では、開ける・開放・F値を下げると言います。

絞り(しぼり)-目とカメラー

モノを適正な明るさで見るためには、この絞りが重要です。光がたくさんあるところ、つまり明るいところでは、絞らないと明るすぎて見えないので、絞る。逆に薄暗いところなど、光量が少ない場合は、開かないと暗くて見えないので開くのです。

今日はここまで。これから何回かに分けて、絞りに関係したお話をしていきます。

故障続き

2007年10月20日(土)

Category: プライベート

今日はあいにくの雨ですね。今日はざーっと降ったり、途中で晴れ間がのぞいたりで、なんとなく冬を連想させるような天気です・・。

我が家では、ついに電気カーペットを出してしまいました。ところが、このカーペットの挙動がおかしいみたいです。温度を自動的に調節するような高性能な機能なんてついているはずはないのに、途中で切れたりついたりしているみたい。危ないなぁ。もう少し様子をみよう・・。
最近、携帯が故障するわ、電子レンジが故障するわで故障続き。こういうのは続けて起きるもんですよね。次は何だ??

故障中の幸い・・・脳の活性化

2007年10月18日(木)

Category: こだわり, プライベート

ここ一ヶ月くらい私の携帯の調子がおかしいなと思ってました。通話の途中で相手の声が聞こえなくなる症状が頻繁に起きてました。相手側にはこっちの声がバッチリ聞こえているらしいのですが、こっちは全く聞こえなくなるので、てっきり電波が悪いのかと思い、かけ直したりしてました。メール以外ではそんなに頻繁に電話がかかってきたりかけたりするわけではなかったので、そこまで感じていなかったのですが、よくよく考えてみると、ドコモからauに替えてからは、電波が悪いと感じたことはほとんどなく、音質もクリアだったのに、急にこんなことになるはずはないと・・。何人かに、私と電話をするといつもだよと言われ、では携帯ショップに持って行こうということになりました。

意外に、機械などが故障して持っていくと、その場では正常に作動したりすることがあったりするので、ちゃんと故障状態でいてくれよと思いながら、ショップで試してみるとちゃんと故障が証明されました。よかったよかった。
購入してまだ半年くらいしか経ってないうえに、過失ではないので、おそらく無料修理でしょうということでした。ホントは、新しい機種に交換してくれても良かったのに!?^^。しばらく、代替携帯になってしまいました。

代替機は、機種が違うため、非常に使いづらい!!慣れとは怖いものです。思うように使いこなせない・・。しかし、慣れない状況というのは、脳の活性化に非常に良いらしく、脳を活発に使っているそうです。確かに、今までは、あまり考えずに指が動いてました。今は、勝手に動く指を押さえて、考えて動かしています。
不幸中の幸いならぬ、故障中の幸いですかね^^

レンズの語源は豆

2007年10月16日(火)

Category: メガネのお話, 磨く

メガネやカメラなどに使われている「レンズ」という言葉の語源について。

丸くて薄っぺらい扁平な形であるレンズ豆に形状が似ていることからレンズというようになったそうです。レンズ豆はヒラマメとも呼ばれ、外国の料理のカレーやスープによく入っているあの豆です。

日本語では、メガネレンズのことを「玉」と呼ぶことがありますが、これはレンズが丸い形であることから玉と呼ぶんですね。

メガネレンズことを「ガラス」と呼ぶお客様がいらっしゃいます。先日もお話したように、メガネレンズにもプラスチックやガラスなど素材がいろいろありますので、間違いが起こらないように注意しなければなりません。本当に素材のガラスのレンズをお求めなのか、ただ、レンズのことをガラスと呼ばれているのか・・。言葉って難しいですよね。

ガラスレンズの利点

2007年10月12日(金)

Category: メガネのお話, 商品紹介

眼鏡のレンズは、最近ほとんどプラスチックレンズになりつつありますが、依然としてガラスレンズをお使いになるお客様もいらっしゃいます。まず、ガラスレンズの利点と欠点をお話します。

ガラスレンズの利点

キズがつきにくく、熱にも強い特長があります。また、プラスチックより屈折率の大きい材質があるため、薄くなります。

ガラスレンズの欠点

重くて、割れやすいのが欠点です。また、熱伝導の関係で曇りやすいです。

お客様の視力の度数や使用環境、ご希望などをお聞きし、ガラスレンズをおすすめすることもあります。

  • レンズの厚みが気になり、とにかく薄いレンズをご希望の方
  • キズのつきにくいレンズをご希望の方
  • レンズを長く使いたい方
  • レンズに熱がかかりやすい環境
  • 薬品などを扱う方
  • 顕微鏡やカメラなどレンズ面に接触することが多い方
  • 汚れやすい環境で、よくレンズを拭くことが多い方
  • 歯医者さんなど何かが飛んでレンズ面に当たることが多い方

レンズはたくさんの種類があり、またそれぞれ一長一短がありますので、お気軽にご相談ください。おすすめのレンズをご提案致します。

目を大切にする方法

2007年10月09日(火)

Category: 目のお話

10月10日は「目の愛護デー」です。

目を大切にいたわりましょうという日なのですが、今日はどのように大切にすればいいかを簡単にご紹介します。

目の酷使をしない
長時間読書をしたり、テレビを見たり、パソコンの画面を見たりする場合は、適度に休憩をとり目を休めるようにしましょう。
姿勢を正しくする
姿勢が悪いせいで、必要以上に近距離でモノを見たりすることによって目に負担がかかります。また、首・肩こりなども起こります。机や椅子の高さが正しくない原因で姿勢が悪くなることが多いです。
適度な明るさで
暗すぎてもいけませんが明るすぎてもいけません。
無理をしない
遠くのモノや、近くの文字が見にくい場合は、我慢して頑張って見ても、目が良くなることはあまりありません。
睡眠をよくとる
寝不足での目の酷使は、百害あって一利なし。
バランスの良い食生活
栄養が偏らないように、バランスの良い食事を心がけましょう

毎日、大変お世話になっている目の大切さを再認識する日が、10月10日です。10月10日が体育の日でなくなった今、10月10日といえば目の愛護デーと、みんなに知ってもらえればいいですね。