おかげさまでフィッティング関連のお客様が多いですが、中でも見え方が全然変わってしまう重要なポイントがあります。それは、メガネの前傾角(傾斜角)!メガネのレンズ面の垂直方向との角度です。
普段の生活における、常用視線は、5~10度程度ですので、常用視線とレンズの光軸を揃える必要があります。
顔の耳の高さは人によって違います。同じフレームでも耳の高さが違えば、前傾角が変わってしまいます。
まず、遠用・常用の理想の前傾角。約8度くらいでしょうか。
横から見た感じも、とても収まりが良くしっくりきます。
次の下の図は、上の図より耳の位置が高い場合です。同じフレームを乗せてみました。すると前傾角は上より深くなります。約13度くらい。近用のメガネはこれくらいあってもいいですね。
次は、逆に耳の位置が低い場合。同じフレームなのですが、前傾角は浅くなってしまいます。約3度くらい。この状態は、下方視すると浮き上がったように見えたり、目とレンズの距離も下の方は遠くなるので見え方もさることながら下方視野も狭くなります。
巷で溢れている状態が下の図。
未調整のフレームは前傾角が浅めのものが多いです。耳の高さは普通なのですが、前傾角が3度くらい。ずっとこれに慣れているのでわからないのでしょう。前傾角を付けた方が格段に見え方が良くなります。特に遠近両用などのレンズは顕著に前傾角で見え方が格段に変わります。
この状態の人、よく見かけます。私から見たら、気になってしょうがない状態。
上のメガネを、耳の位置が高い人に掛けると、約8度くらいに収まります。これはラッキーなだけです。
逆に耳の位置が低いと、、、これはヤバイ!!!垂直より超えて、レンズ面が上を向いてしまっています。これを掛けていると不具合が生じてしまうでしょう。
最後にもう一度、この状態が理想です。顔の形に合わせて、フレームの角度を調整して理想の前傾角にします。美しい!!横から見ても心地よく見えます。同じゴールドフィッターの清水さんもおっしゃっていましたが、メガネをフィッティングしていて、理想の前傾角に調整できたとき、心の中でガッツポーズしてます(笑)
またアゴを出し気味の人などいろいろな姿勢などの癖もありますので、それを加味しながら前傾角を調整することもあります。
残念ながら、前傾角を調整できない構造のフレームが多いのも事実です。例えばこんな智の形状のメガネ。
厳しいですねー。たまたま前傾角が合えばいいですが、合わないとどうしようもありません(裏技もありますが、基本難しい)。どんなに気に入ったフレームでも性能を発揮しないのですから。なので、当店は、調整しにくい構造のフレームは極力仕入れしません。もしくは、前傾角が合わない場合は、オススメしません。
メガネは度数が合ってても、フィッティングがしっかり出来てないと、見え方に異常をきたします。特に遠近両用など度数が変化するレンズは、フィッティングが命といって過言ありません。
あまりにも前傾角を軽視した状態が多すぎるため、iPadで説明し易いように画像を作りましたので、ブログの記事にしてみました。いつでもご相談下さい。